
今回の基本情報対策は、ネットワークの2回目です。メールプロトコル、TCPパケット、ディジタル署名の問題を選びました。ネットワークの分野では、いろんな種類のプロトコルが出てくるので、それぞれ特徴を整理しておくとよいでしょう。
問題 1
電子メールで,静止画,動画,音声などの様々な情報を送ることができる仕組みはどれか。 (基本情報技術者試験 平成25年秋季 午前問36)
(A) FTP
(B) MIME
(C) POP
(D) TELNET
正解は B。
MIMEとは、元々は文字しか送信できない電子メールで、画像データも送信できるようにした規格です。
(A) FTP
これは誤りです。FTPは、ファイルを転送するためのプロトコルです。
(B) MIME
これは正しいです。
(C) POP
これは誤りです。POPは、メールを受信するためのプロトコルです。
(D) TELNET
これは誤りです。TELNETは、遠隔操作用のプロトコルです。
問題 2
1個のTCPパケットをイーサネットに送出したとき,イーサネットフレームに含まれる宛先情報の,送出順序はどれか。 (基本情報技術者試験 平成25年秋季 午前問37)
(A) 宛先IPアドレス,宛先MACアドレス,宛先ポート番号
(B) 宛先IPアドレス,宛先ポート番号,宛先MACアドレス
(C) 宛先MACアドレス,宛先IPアドレス,宛先ポート番号
(D) 宛先MACアドレス,宛先ポート番号,宛先IPアドレス
正解は C。
TCPパケットには、宛先となる端末を特定するための、MACアドレス、IPアドレス、ポート番号がこの順で格納されています。
TCPパケットに含まれる宛先情報
(A) 宛先IPアドレス,宛先MACアドレス,宛先ポート番号
これは誤りです。最初に現れるのはMACアドレスです。
(B) 宛先IPアドレス,宛先ポート番号,宛先MACアドレス
これは誤りです。最初に現れるのはMACアドレスです。
(C) 宛先MACアドレス,宛先IPアドレス,宛先ポート番号
これは正しいです。
(D) 宛先MACアドレス,宛先ポート番号,宛先IPアドレス
これは誤りです。IPアドレスの後にポート番号が現れます。
問題 3
ディジタル署名などに用いるハッシュ関数の特徴はどれか。 (基本情報技術者試験 平成25年秋季 午前問38)
(A) 同じメッセージダイジェストを出力する異なる2つのメッセージは容易に求められる。
(B) メッセージが異なっていても,メッセージダイジェストは全て同じである。
(C) メッセージダイジェストからメッセージを復元することは困難である。
(D) メッセージダイジェストの長さはメッセージの長さによって異なる。
正解は C。
ハッシュ関数とは、原文から固定長の値を求めるアルゴリズムです。内容が同一の2つの原文では、結果が同じになります。
(A) 同じメッセージダイジェストを出力する異なる2つのメッセージは容易に求められる。
これは誤りです。メッセージダイジェスト、すなわちハッシュ関数の結果から、メッセージに逆変換することは非常に難しいです。
(B) メッセージが異なっていても,メッセージダイジェストは全て同じである。
これは誤りです。メッセージの内容がわずかに異なる場合でも、ハッシュ関数の結果は大きく異なります。この性質は改ざんの検知に有用です。
(C) メッセージダイジェストからメッセージを復元することは困難である。
これは正しいです。メッセージダイジェストから、メッセージに逆変換することは非常に難しいです。
(D) メッセージダイジェストの長さはメッセージの長さによって異なる。
これは誤りです。ハッシュ関数では、固定長の値が計算され、ハッシュ関数によって決まっています。メッセージの長さとは関係ありません。