
今回の基本情報対策は、セキュリティ関連です。SQLインジェクション、暗号化方式、HTTPSなどに関する問題を選びました。SQLインジェクションは代表的なぜい弱性の一つなので、特徴や対策方法をしっかり覚えておきましょう。
問題 1
SQLインジェクション攻撃を防ぐ方法はどれか。 (基本情報技術者試験 平成25年春期 午前問40)
(A) 入力中の文字がデータベースへの問合せや操作において,特別な意味をもつ文字として解釈されないようにする。
(B) 入力にHTMLタグが含まれていたら,HTMLタグとして解釈されない他の文字列に置き換える。
(C) 入力に,上位ディレクトリを指定する文字(../)を含むときは受け付けない。
(D) 入力の全体の長さが制限を越えているときは受け付けない。
正解は A。
SQLインジェクションとは、SQLのパラメータに、SQLの断片を流し込むことによって、情報を盗んだり改ざんする攻撃です。
(A) 入力中の文字がデータベースへの問合せや操作において,特別な意味をもつ文字として解釈されないようにする。
これは正しいです。SQLインジェクション攻撃を防ぐ方法です。
(B) 入力にHTMLタグが含まれていたら,HTMLタグとして解釈されない他の文字列に置き換える。
これは誤りです。クロスサイトスクリプティングを防ぐ方法です。
(C) 入力に,上位ディレクトリを指定する文字(../)を含むときは受け付けない。
これは誤りです。ディレクトリトラバーサル攻撃を防ぐ方法です。
(D) 入力の全体の長さが制限を越えているときは受け付けない。
これは誤りです。バッファオーバフロー攻撃を防ぐ方法です。
問題 2
電子メールを暗号化するために使用される方式はどれか。 (基本情報技術者試験 平成25年春期 午前問43)
(A) BASE64
(B) GZIP
(C) PNG
(D) S/MIME
正解は D。
S/MIMEとは、電子メールを暗号化したり、ディジタル署名を付加して、セキュリティを向上させる方式です。
(A) BASE64
これは誤りです。BASE64は、データを64種類の文字を用いた文字列にエンコードする方法です。暗号化は行いません。
(B) GZIP
これは誤りです。GZIPは、deflateアルゴリズムを利用した、データの圧縮方式です。
(C) PNG
これは誤りです。PNGは、主にWebページで使用される、可逆圧縮方式の静止画フォーマットです。
(D) S/MIME
これは正しいです。
問題 3
HTTPSを用いて実現できるものはどれか。 (基本情報技術者試験 平成25年春期 午前問44)
(A) Webサーバ上のファイルの改ざん検知
(B) クライアント上のウイルス検査
(C) クライアントに対する侵入検知
(D) 電子証明書によるサーバ認証
正解は D。
HTTPSとは、Webのデータ転送プロトコルであるHTTPの通信が、SSLやTLSによって暗号化された状態を言い、盗聴やなりすましを防止できます。
(A) Webサーバ上のファイルの改ざん検知
これは誤りです。HTTPSでは、サーバ上のデータの改ざんは検知できません。通信経路上に限られます。
(B) クライアント上のウイルス検査
これは誤りです。HTTPSでは、ウイルスの検査は行いません。
(C) クライアントに対する侵入検知
これは誤りです。HTTPSでは、クライアントの侵入検知は行いません。
(D) 電子証明書によるサーバ認証
これは正しいです。HTTPSで使用される、暗号化プロトコルのSSLやTLSでは、ディジタル証明書が利用されます。
問題 4
リスク共有(リスク移転)に該当するものはどれか。 (基本情報技術者試験 平成25年秋季 午前問39)
(A) 損失の発生率を低下させること
(B) 保険への加入などで,他者との間でリスクを分散すること
(C) リスクの原因を除去すること
(D) リスクを扱いやすい単位に分解するか集約すること
正解は B。
リスク移転とは、リスクを保険会社などの他社へ移して、損失の負担を分担することです。PMBOKではリスク転嫁と呼びます。
(A) 損失の発生率を低下させること
これは誤りです。リスク低減の説明です。
(B) 保険への加入などで,他者との間でリスクを分散すること
これは正しいです。リスク移転の説明です。
(C) リスクの原因を除去すること
これは誤りです。リスク回避の説明です。
(D) リスクを扱いやすい単位に分解するか集約すること
これは誤りです。リスク分離の説明です。
問題 5
クライアントとWebサーバの間において,クライアントがWebサーバに送信されたデータを検査して,SQLインジェクションなどの攻撃を遮断するためのものはどれか。 (基本情報技術者試験 平成25年秋季 午前問41)
(A) SSL-VPN機能
(B) WAF
(C) クラスタ構成
(D) ロードバランシング機能
正解は B。
WAFとは、Webアプリケーションのぜい弱性を利用した攻撃から、アプリケーションを防御する仕組みです。
(A) SSL-VPN機能
これは誤りです。SSL-VPNは、暗号化プロトコルのSSLを利用したVPNです。VPNは、公衆回線を利用した仮想的な組織内ネットワークです。
(B) WAF
これは正しいです。
(C) クラスタ構成
これは誤りです。クラスタ構成は、複数のコンピュータを連結して、1台のコンピュータとして振舞う構成のことです。
(D) ロードバランシング機能
これは誤りです。ロードバランシング機能は、サーバの負荷を軽減させるために、負荷を複数の機器に分散させる機能のことです。