基本情報対策 システム戦略・経営戦略 (1)

今回の基本情報対策は、システム戦略と経営戦略です。非機能要件、システム管理基準、投資計画、コアコンピタンスなどの問題を選んでいます。SLAとともに、非機能要件は、システム開発の上で大事なキーワードとなるので、覚えておきましょう。

問題 1

情報化投資計画において,投資価値の評価指標であるROIを説明したものはどれか。 (基本情報技術者試験 平成25年春期 午前問61)

(A) 売上増やコスト削減などによって創出された利益額を投資額で割ったもの

(B) 売上高投資金額比,従業員当たりの投資金額などを他社と比較したもの

(C) 現金流入の現在価値から,現金流出の現在価値を差し引いたもの

(D) プロジェクトを実施しない場合の,市場での競争力を表したもの

正解は A


ROIとは、投資利益率ともいわれ、利益を投資額で割ったものを表します。利益が投資に見合っているかを判断できます。

ROI…Return On Investment

(A) 売上増やコスト削減などによって創出された利益額を投資額で割ったもの

これは正しいです。ROI、投資利益率の説明です。

(B) 売上高投資金額比,従業員当たりの投資金額などを他社と比較したもの

これは誤りです。ベンチマーキングの説明です。

(C) 現金流入の現在価値から,現金流出の現在価値を差し引いたもの

これは誤りです。NPV、正味現在価値の説明です。

(D) プロジェクトを実施しない場合の,市場での競争力を表したもの

これは誤りです。機会損失の説明です。

問題 2

"システム管理基準"によれば、組織全体の情報システムのあるべき姿を明確にする計画はどれか。 (基本情報技術者試験 平成25年春期 午前問62)

(A) 開発計画

(B) 事業継続計画

(C) 全体最適化計画

(D) 年間運用計画

正解は C


全体最適化計画では、投資費用や人的資源を明確にし、投資効果やリスクの算定方法を策定します。

(A) 開発計画

これは誤りです。開発計画では、システム開発の目的を明確にし、スケジュールや開発費用を策定します。

(B) 事業継続計画

これは誤りです。事業継続計画では、災害や事故が発生した際の事業の継続について計画します。

(C) 全体最適化計画

これは正しいです。

(D) 年間運用計画

これは誤りです。年間運用計画では、利用者のオペレーションや、障害時の復旧手順について、年間の運用計画を立てることです。

問題 3

非機能要件の定義に該当するものはどれか。 (基本情報技術者試験 平成25年春期 午前問65)

(A) 業務を構成する機能間の情報(データ)の流れを明確にする。

(B) システム開発で利用する言語に合わせた開発基準,標準を作成する。

(C) システム機能として実現する範囲を定義する。

(D) 他システムとの情報授受などのインタフェースを明確にする。

正解は B


非機能要件とは、ハードウェア構成、運用・監視手段、開発標準、性能目標など、機能面以外の要件のことです。

(A) 業務を構成する機能間の情報(データ)の流れを明確にする。

これは誤りです。機能間のデータの流れを明確にするのは、機能要件の定義です。

(B) システム開発で利用する言語に合わせた開発基準,標準を作成する。

これは正しいです。非機能要件の定義です。

(C) システム機能として実現する範囲を定義する。

これは誤りです。システム機能として実現する範囲は、機能要件の定義です。

(D) 他システムとの情報授受などのインタフェースを明確にする。

これは誤りです。他システムとのインタフェースは、機能要件の定義です。

問題 4

企業経営で用いられるコアコンピタンスを説明したものはどれか。 (基本情報技術者試験 平成25年春期 午前問68)

(A) 企業全体の経営資源の配分を有効かつ統合的に管理し,経営の効率向上を図ることである。

(B) 競争優位の源泉となる,他社よりも優越した自社独自のスキルや技術である。

(C) 業務プロセスを根本的に考え直し,抜本的にデザインし直すことによって,企業のコスト,品質,サービス,スピードなどを劇的に改善することである。

(D) 最強の競合相手又は先進企業と比較して,製品,サービス,オペレーションなどを定性的・定量的に把握することである。

正解は B


コアコンピタンスとは、企業が保有している、他社には真似のできない独自のノウハウや技術のことです。

(A) 企業全体の経営資源の配分を有効かつ統合的に管理し,経営の効率向上を図ることである。

これは誤りです。ERP、企業資源計画の説明です。

(B) 競争優位の源泉となる,他社よりも優越した自社独自のスキルや技術である。

これは正しいです。コアコンピタンスの説明です。

(C) 業務プロセスを根本的に考え直し,抜本的にデザインし直すことによって,企業のコスト,品質,サービス,スピードなどを劇的に改善することである。

これは誤りです。BPR、ビジネスプロセスリエンジニアリングの説明です。

(D) 最強の競合相手又は先進企業と比較して,製品,サービス,オペレーションなどを定性的・定量的に把握することである。

これは誤りです。ベンチマーキングの説明です。