基本情報対策 システム戦略・経営戦略 (4)

今回の基本情報対策は、引き続きシステム戦略と経営戦略です。競争戦略やプロダクトライフサイクルに関する問題のほか、テザリングの問題を選んでいます。プロダクトライフサイクルに関する問題はよく見かけるので、サイクルの導入期から衰退期までを整理して覚えておきましょう。

問題 1

コトラーの競争戦略によると,業界でのシェアは高くないが,特定の製品・サービスに経営資源を集中することで,収益を高め,独自の地位を獲得することを戦略目標とする企業はどれか。 (基本情報技術者試験 平成26年春期 午前問67)

(A) マーケットチャレンジャ

(B) マーケットニッチャ

(C) マーケットフォロワ

(D) マーケットリーダ

正解は B


競争戦略とは、市場における企業のポジションを4つに類型化し、マーケティング戦略を策定することです。

コトラーの競争戦略による分類

リーダ
トップシェアの企業

チャレンジャー
2番手でトップシェアを狙う企業

ニッチャー
特定市場のシェアを獲得する企業

フォロワ
トップシェアは狙わない企業

(A) マーケットチャレンジャ

これは誤りです。チャレンジャーは、2番手でトップシェアを狙う企業で、シェアを高めることを目標とします。

(B) マーケットニッチャ

これは正しいです。ニッチャーは、特定市場のシェアを獲得する企業で、特定の販売チャネルを活用することを目標とします。

(C) マーケットフォロワ

これは誤りです。フォロワは、トップシェアは狙わない企業で、競合他社の戦略を模倣して効率化することを目標とします。

(D) マーケットリーダ

これは誤りです。リーダは、トップシェアの企業で、市場全体の規模を拡大させることを目標とします。

問題 2

プロダクトライフサイクルにおける成長期を説明したものはどれか。 (基本情報技術者試験 平成26年春期 午前問68)

(A) 売上が急激に増加する時期である。市場が活性化し新規参入企業によって競争が激化してくる。

(B) 売上と利益が徐々に減少する時期である。追加投資を控えて市場から撤退することが検討される。

(C) 需要の伸びが鈍化してくる時期である。製品の品質改良などによって,シェアの維持,利益の確保が行われる。

(D) 先進的な消費者に対し製品を販売する時期である。製品の認知度を高める戦略が採られる

正解は A


プロダクトライフサイクルとは、製品やサービスが市場に投入されてから、衰退するまでの流れを示したものです。

プロダクトライフサイクル

導入期
認知度があまりなく、需要量も低い

成長期
需要が急激に増加し、売上が伸びる

成熟期
需要が頭打ちとなり、売上は伸びない

衰退期
需要が減少し、業者が撤退していく

(A) 売上が急激に増加する時期である。市場が活性化し新規参入企業によって競争が激化してくる。

これは正しいです。成長期の説明です。

(B) 売上と利益が徐々に減少する時期である。追加投資を控えて市場から撤退することが検討される。

これは誤りです。衰退期の説明です。

(C) 需要の伸びが鈍化してくる時期である。製品の品質改良などによって,シェアの維持,利益の確保が行われる。

これは誤りです。成熟期の説明です。

(D) 先進的な消費者に対し製品を販売する時期である。製品の認知度を高める戦略が採られる

これは誤りです。導入期の説明です。

問題 3

携帯電話端末の機能の一つであるテザリングの説明として,適切なものはどれか。 (基本情報技術者試験 平成26年春期 午前問74)

(A) 携帯電話端末に,異なる通信事業者のSIMカードを挿して使用すること

(B) 携帯電話端末をモデム又はアクセスポイントのように用いて,PC,ゲーム機などから,インターネットなどを利用したデータ通信をすること

(C) 契約している通信事業者のサービスエリア外でも,他の事業者のサービスによって携帯電話端末を使用すること

(D) 通信事業者に申し込むことによって,青少年に有害なサイトなどを携帯電話端末に表示しないようにすること

正解は B


テザリングとは、スマートフォンをルータとして、コンピュータやゲーム機をインターネットへ接続する仕組みです。

(A) 携帯電話端末に,異なる通信事業者のSIMカードを挿して使用すること

これは誤りです。SIMフリーの説明です。SIMとは、スマートフォンでデータ通信や音声通話をするためのICカードチップです。

(B) 携帯電話端末をモデム又はアクセスポイントのように用いて,PC,ゲーム機などから,インターネットなどを利用したデータ通信をすること

これは正しいです。テザリングの説明です。

(C) 契約している通信事業者のサービスエリア外でも,他の事業者のサービスによって携帯電話端末を使用すること

これは誤りです。ローミングの説明です。

(D) 通信事業者に申し込むことによって,青少年に有害なサイトなどを携帯電話端末に表示しないようにすること

これは誤りです。コンテンツフィルタリングの説明です。